現金預金 ②小切手を受け取った人

【前回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/31/150000


では、当座預金のシステムについて勉強しましょう。

 

 

こんな言葉を聞いたことはありませんか?

 

Aさんは商品を売り上げ、代金は小切手で受け取った。』

 

Bさんは商品を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。』

 

小切手を受け取る?

小切手を振り出す?

何が違うの?

 

そう思って当然です。

では一つずつ説明しましょう。

 

 

まず前提となる条件です。

 

Aさんはアルファ銀行に当座預金口座があります。

Bさんはベータ銀行に当座預金口座があります。

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それぞれメインのバンクが違います

この条件のもとで、AさんとBさんがやり取りをします。

 

 

 

AさんとBさんが売買契約を結びました。

金額が決定したとき、Bさんは懐から紙切れを取り出します。

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契約成立!

この紙切れこそが「小切手(こぎって)」です。

 

Bさんは小切手に金額を書き込み、Aさんに渡します。

 

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 こんな場面をドラマや映画で見たことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

Aさんは金額が書き込まれた小切手を貰います。

でもこのままでは、ただの紙切れですね。

 

 

なので、AさんはBさんと別れた後、その足でアルファ銀行に向かいます。

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Aさんがアルファ銀行に行くと、なんと小切手を現金に変えてもらえるのです!

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つまり小切手は、ほぼ現金と同じ価値なんですね。

 

Aさんは小切手を好きなタイミングで現金に変えれます。

でも、小切手を無くしてしまえば、それでおしまい。

もう一度Bさんに小切手を渡してもらうことはできません。

何度も無くしたといえば、大量の小切手が手に入りますからね。

 

 

なので、大抵が小切手をすぐに現金に変えます。

だから、仕訳にするとき、わざわざ「小切手」を書くことはなく「現金」を使うのです。

 

 

Aさんはアルファ銀行で小切手を現金にしてもらいますが、その場でその現金を当座預金口座に振り込むこともできます。

多額の現金を持ち運ぶのは怖いですからね。

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そんなときは問題文に

 

『小切手を受け取り、直ちに当座預金に振り込んだ』

 

と書いてあります。

 

これをわかりやすく解釈すると、「小切手を受け取り、(小切手を現金にしてもらった後)直ちに当座預金に振り込んだ」という意味になります。

 

これがAさんの手続きになります。

 

以上のことから、最初の例題の解答はこうなります。

 

Aさんは商品を売り上げ、代金は小切手で受け取った。』

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小切手を受け取ると「現金」

 【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/06/02/150000

現金預金【全3回】 ①現金預金の種類

お金に関係する勘定科目を知ろう!

 

 

ここまで勉強してきた皆さんは、現金預金をいくつか知っているはずです。

 

「現金預金って何?そんなの聞いたことない」

 

という人の為に説明すると、現金と預金口座をまとめて呼ぶ総称です。

現金と預金をまとめて現金預金。

シンプルでわかりやすいですね。

 

では具体的に何が当てはまるのでしょうか。

 

現金

あなたの財布にも入っている硬貨や紙幣などのお金。これはまさしく現金ですね。

あとから説明しますが「小切手(こぎって)」も現金です。

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普通預金

銀行に行って口座を作るとき、大抵が普通預金口座になります。

普通預金にお給料が振り込まれている人が多いのではないでしょうか。

一番なじみのある預金口座です。

 

定期預金

普通預金とは違い、貯金専用の口座だと思ってくれたらいいです。

普通預金よりも利率が高いことが特徴ですが、試験に出てくることはあまりありません。

 

当座預金(とうざよきん)

簿記の大本命です。

普通預金とは異なり、会社の運用専門の口座だと思ってください。

試験に一番出てくる預金口座はコレです。

 

では、次回から当座預金の仕組みについて説明します。


【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/06/01/150000

【雑談】ペン博士の簿記歴

こんにちは!

 

ペン博士が簿記教室を開講して、約1か月がたちました。

 

今更ですが、自己紹介をしようと思います。

 

〇簿記教室を始めた理由

まず、ペン博士がなぜ簿記教室をすることになったかですね。

理由は単純明快です。

「ただただ簿記が好きだから」

 

好きなものを皆さんに知ってほしい。

困っている人がいるなら手助けしてあげたい。

だって、自分も昔は悩んでいたから。

 

これが簿記教室を開講するに至った理由です。

 

〇簿記との出会い

ペン博士が簿記に出会ったのは高校生のときです。

商業高校出身だったので、簿記は必修科目でした。

 

当然、この段階で簿記については詳しくありません。

なんなら、得意でもありませんでした。

 

そんなペン博士に転機が訪れたのは高校2年生の夏。

簿記の担当教師から日商2級を受験しないか、と声をかけられたときでした。

 

好きでも得意でもなかった簿記ですが、一応テストの点数がよかったので、

ペン博士に声がかかったのです。

 

当時、日商2級を受験したのは希望者のみ。

希望者は夏休みに学校に集まって補修を受けたのです。

 

将来的に役に立つだろう、そんな思いで受験を決めました。

ですが、日商2級はそんなに優しいものではありません。

なかなか伸びない点数に、何度リタイアしようと思ったことか。

 

それでも、テキスト代と受験料を負担してくれた親のためにも、途中離脱は避けたい。

せめて、頑張るだけ頑張ろう。

 

そうやって11月の試験のために、青春を簿記に捧げたのです。

 

当時の私は、とにかく検定試験を大量に受けていました。

日商簿記以外にも、9月は情報処理。10月は定期テスト、英検、財務諸表分析。11月は英検の二次面接そして日商簿記

さらには日商試験の次の日からは、修学旅行があったんです。

 

毎日、複数の試験勉強を平行して行っていました。

放課後も教室に残り、先生に補講をしてもらう。

そんな努力の日々が続いたのです。

 

そして、迎える11月某日。

正直、自信はありませんでした。

 

というのも、当時の私が過去問を初見で解いたとき、だいたいが70点を下回っていたのです。

 

試験後の感触としても、ぎりぎり下回ったかな。という感じでした。

 

ですが、落ち込む暇もなく、修学旅行の荷造りが始まり、次の日には海外に飛んでいたので、正直簿記のことは頭から抜け落ちていました。

 

そして、数日後、合格発表を迎えました。

 

こっそり、パソコンルームへ行き、商工会議所のHPから合格発表の瞬間を待ちました。

あの時、友達と囲んで見たモニターの光景は忘れられません。

 

そして、合格発表の瞬間、思わず息がつまりました。

そう、受験番号があったのです。

 

こうして、日商2級を所持することになったのです。

このとき私は天狗になっていました。

自分には簿記の才能があるのだと。

 

天狗の鼻が折れたのは、それから約1年後。

会計実務検定という試験の時です。

 

この試験、高校生を対象とした試験なのですが、内容は日商1級の簡易版。

内容も複雑化していました。

 

この試験も先生が補講してくれたのですが、試験の難しさからか受験するのはたったの数名。

授業するほどの人数が集まらなかったことから、補講は質問形式になっていました。

 

先生からテキストを預り、自分でプリントの問題を解く。わからないところがあったら先生に聞く。

ほぼ独学の状態でした。

 

正直、今回も頑張れば合格できるだろう。

そう思っていました。

 

しかし、箱を開けてみれば結果は不合格。

高校3年で私は簿記不信になりました。

 

この時の敗因を後から分析したのですが、結論は1つ。

それは簿記を暗記に頼っていたからです。

 

それに気づかなかった当時の私は、簿記の勉強を辞めてしまいました。

というものの、この試験、年に1回しかない貴重な試験だったのです。

 

簿記から離れて数か月後、私は商業高校を卒業しました。

 

そして、商学部のある大学に進学したのです。

 

〇税理士を目指す

大学生になった私は、何かをやりとげたい。という思いが高まっていました。

 

そして、簿記のリベンジを思いつくのです。

日商1級を取る。

そう決めたのが1年のゴールデンウィークのことです。

 

市販のテキストを片手に、電車で勉強する日々が続きました。

この時は、商業簿記の分野の基礎問題がぎりぎり解けるレベルです。

 

そしてぶち当たったのが、工業簿記・原価計算の壁です。

 

正直、日商2級のときと桁違いの難しさでした。

と言っても、あくまで独学の理解度。

助けがなければこんなものか。そう自分で納得せざるを得ませんでした。

 

そんなレベルで高い受験料を支払って受験する度量もなく、気が付けば1年がたっていました。

 

なかなか問題が解けず、工業簿記は意味がわからない日々。

やはり、自分は簿記の才能がないんだ。

そう思っていた矢先、突如目標を見つけます。

 

それが税理士試験です。

 

なんと、この試験、私が苦手な原価計算は試験範囲から除かれているんです。

 

商業簿記、会計だけなら、まだチャンスがあるかも。

 

そう思って、日商1級から税理士試験にシフトチェンジしました。

それが3年に上がる直前のことです。

 

4月からは市販テキストで勉強を始めました。

受験をするのは「簿記論」と「財務諸表論」です。

 

税理士試験は60点が合格ラインですが、正式な合格点が明らかにされていないので、専門学校により解答も合格ラインも異なります。

 

なかなか合格ボーダーに乗らない日々。

今年は記念受験にしよう。

 

そう思って受けた8月の試験。

そして待ち受ける12月の合格発表までの日々。

 

簿記論は落ちている気しかしなかったのですが、財務諸表論は五分五分の感触。

独学の限界を感じました。

 

そして、驚くことに財務諸表論に合格。

天にも手が届く気持ちでした。

ずっと折れていた天狗の鼻も、ガムテープで補強されたようです。

 

となれば、簿記論にも合格したい。

そう思って、ついに専門学校に通いだします。

 

絶対に合格する。

そう決意し、1月から8月までの日々、ほぼ受験勉強に身を捧げました。

 

6月の模擬試験では、なんと上位0.3%にランクインしました。

折れていた天狗の鼻が接着剤でくっついたのです。

 

8月に試験、12月に合格発表。

ついに私は簿記論にも合格できたのです。

簿記の楽しさが完全復活しました。

 

そのまま、簿記に関係する仕事がしたいと思い、会計関係の仕事に就きました。

 

今は、日商1級のリベンジをするために、水面下でこっそり原価計算の勉強をしています。

 

〇最後に

みなさんに知ってもらいたいこと。

 

それは、諦めないことです。

 

簿記は、一度に成長することができません。

少し成績が伸びれば、すぐに伸び悩む。

それでも休まずに勉強していれば、突然理解ができるようになる。

 

その繰り返しで合格レベルまで成長するんです。

 

このブログを見てくれる皆さんは、何かわからない論点があってたどり着いた人だと思います。

 

わからないことって、その場では理解できても、いざ自分で問題を解くときに、頭がこんがらがって解けなくなる。そんなことばかりだと思います。

 

ペン博士の簿記教室はそんな悩みを解決する手助けがしたい。

そんな思いで解説されたブログです。

 

一般的なテキストや問題集では説明されないようなこと。

そんな細かいことまで、丁寧に説明していく予定です。

 

目標は当ブログから合格者が出ること。

 

そのために、私が長きにわたって身に着けた合格するためのテクニック、内容を理解するためのコツ。それらをみなさんに伝授しようと思います。

 

すべては、簿記が好きな人が増えてほしい。

この思い一筋です。

 

皆さんがどのような経緯で簿記を勉強するに至ったかはわかりませんが、少なくとも、このブログを見てくれているということは、勉強のやる気はあると思います。

 

わからないことは、人に聞きましょう。

身近に簿記に詳しい人がいればいいのですが、あまりいないでしょう。

 

専門学校の講義を受けているなら、受けれるサービスはどんどん活用しましょう。

 

それでも、まだわからないなら、ネットで検索しましょう。

あなたがつまづいている論点は、受験生がみんなつまづく論点です。

いろんな人が解説記事を書いています。

 

当ブログもその一つとしてご活用ください。

どこかで腑に落ちる部分があるかもしれません。

 

 

それでは最後になりますが、ペン博士はあなたの合格を心から応援しています。

一緒に合格目指して頑張りましょう!

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未収金と未払金 ④回収したとき ※練習問題あり

【前回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/25/150000


最後に、未収金や未払金がなくなるときの仕訳を説明しましょう。

 

 

一番最初の土地の問題をもう一度使います。

 

AさんはBさんに土地を500,000,000円で売り渡し、代金は翌月末に回収することとした。』

 

仕訳はこうでした。

 

Aさん

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Bさん

 

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この後のお話です。

 

実際に翌月末になり、Bさんがお金を払うターンになりました。

 

どうなるでしょうか。なお、支払いは普通預金から行ったとしましょう。

普通預金の考え方は、現金のときと同じですよ。

 

では、Aさんから。

Aさんはようやくお金を回収できたのですね。

普通預金に入金がありました。お金が増えるのは嬉しいことなので、左に書きます。

 

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なぜ、普通預金が増えたかと言うと、未収金を回収したからです。

 

なので、未収金はなくなりますね。

 

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また、「将来お金を回収できる権利」がなくなるのは、この先お金を貰える機会がなくなり、悲しいので右側。

 

こんな考え方もアリです。

 

 

Bさんはどうでしょう?

 

普通預金から支払っているので、普通預金はなくなっています。悲しいので右に書きましょう。

 

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なぜお金がなくなったのか。未払金を支払ったからですね。

 

なので未払金はなくします。

 

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「将来、お金を支払う義務がなくなった」

つまり、お金を払わなくていいってことは嬉しいですね。

嬉しいことは左に書きます。

 

 

一連の流れをまとめましょう。

 

Aさん

 

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Bさん

 

 

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Aさんの、左で発生した未収金(資産)は右で消えました。

 

一方、Bさんの右で発生した未払金(負債)は左で消えました。

 

発生したときと「逆」でなくなるのです。

 

 

つまり、もし後払いにしてなければ

 

Aさん

 

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Bさん

 

 

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になっていたのです。

 

Aさんの未収金、Bさんの未払金の部分を指で隠すと、この仕訳になりますよ。

 

つまりは、後払いになった影響で、この仕訳の間に未収金と未払金が仲介していたのですね。

 


 

さて、ここまでついて来てくれた皆さんは、解ける問題の幅がグッと広まりました。

 

練習問題を用意しました。

ぜひお活用ください。

 

問題<PDFファイル>

 

解答<PDFファイル>

 

 

難しくなってきましたね。

わからないことはどんどん質問してください!

 

皆さんの疑問を優先的に記事にしたいと思います。

 

最後になりますが、「なるほど」と納得してもらえたでしょうか?

皆さんの疑問が解消されるのを願います。

合格目指して頑張りましょう!

 

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未収金と未払金 ③売掛金と買掛金

【前回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/24/150000


以前、分記法と三分法のお話をしたときに、分記法は「商品売買以外」の売買取引の手法と説明しました。

 

一方で、三分法は、「商品売買限定」の手法でした。

なぜ、この話を再びしたかと言うと、未収金・未払金とも繋がるからです。

 

確認したい方は、こちらからどうぞ

 https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/12/150000

 

なんと、未収金・未払金は、「商品売買限定」で「売掛金」「買掛金」と名前が変わります!

 

 

例題を使いましょう。

 

Aさんは商品50,000円をBさんに譲渡し、代金は翌月末に回収することとした。』

 

こんな感じの問題になるんですね。

 

ポイントは「翌月末に回収」です。つまりは、回収するのは今日ではない、ということです。

 

現金でやりとりをしたのなら、

 

Aさん

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Bさん

 

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となります。

 

 

このAさんの「現金」の部分が、「売掛金(未収金)」に、Bさんの現金が「買掛金(未払金)」になります。

 

Aさん

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Bさん

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今まで簿記を勉強されていた方なら、よく見る基本形の形だと思います。

 

皆さんがよく解いていた問題は、「代金は掛けとした」などわかりやすく書いていたため、すぐに「売掛金」「買掛金」と勘定科目が結びついているはずです。

 

ったときの「け」だから、売掛金(うりかけきん)

ったときの「け」だから、買掛金(かいかけきん)

これなら覚えやすいですよね。

 

しかし、間違えてしまうのは、文章に「掛けとした」と書いてなく、「後で受け取ることとした」「後で支払うことにした」と書いてあるときです。

つまり、後日お金のやり取りをするときですね。

 

勉強をよくされている方こそ、未収金や未払金と答えてしまいます。

「備品を買って、代金は月末払いとした」なんてときは未払金です。

しかし、「商品を買って、代金は月末払いとした」なら買掛金になってしまうのですね。

 

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大きなくくりが未収金・未払金なんだね

 

 

やはり、「商品」を売買したときのみ、特別な扱いになるのです。

 

【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/26/150000

未収金と未払金 ②未払金

【前回】


https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/23/150000


次はBさんの立場から見てみましょう。

こんな問題でした。

 

AさんはBさんに土地を500,000,000円で売り渡し、代金は翌月末に回収することとした。』

 

Bさんは土地を買った側ですね。

土地を買ったのは嬉しいことなので左に書きます。

 

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 では、右の勘定科目はどうしましょうか?

 

 

Aさんとは逆です。

だ」「っていない」「お」ということで、「未払金」を使います。 

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今お金を支払っていないということは、「将来」支払うということです。

 

「将来」お金がなくなるのは悲しいことなので、未払金は負債費用となります。

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将来、嬉しいか

 

 

果たしてどちらに分類されるのか、未収金のときと同じように考えていきましょう。

 

まずは形があるかどうかを考えます。

 

土地の売買契約では、契約書が存在します。

そこには、Aさんがお金を支払うことを約束し、印が押されています。

 

この契約書は目に見えるものですね。形があるものなので、資産負債になります。

 

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形があるものか


 また、未払金は悲しいものなので、負債費用でした。

 

 

共通しているのは「負債」ですね。

なので、未払金は負債なのです。

 

また、別の考え方として、未払金の発生の場所を見ます。

仕訳を見ましょう。

 

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未払金は右側で発生してますね。

 

右側で発生するのは、負債収益でした。

 

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左右のどちらで発生するものか

やはり共通しているのは「負債」です。

 

 

ここでもう一度図を載せます。

図を参考にしてもらうと理解しやすいかと思います。

 

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勘定科目の分類 まとめ

 

 

「形があるか(どっちの書類に乗せるか)」

「左右のどちらで発生するか」

「(将来)嬉しいか」

 

大きく3つのグループに分かれていますが、この3つのグループのうち、2つに共通している項目を見つければ、分類は終了します。

 

「形があるか」がわからなくても、「左右のどちらで発生するか」と「(将来)嬉しいか」がわかれば特定できるんです。

 

やりやすいところから探りましょう。

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なるほどねぇ~

 【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/25/150000

未収金と未払金【全4回】 ①未収金

今回は未収金と未払金について説明します。

 

これは、「仕入と売上」「支払家賃と受取家賃」のように、同じ取引を違う立場から見た時に、相互している勘定科目です。

 

 

では例題を使って確認します。

 

AさんはBさんに土地を500,000,000円で売り渡し、代金は翌月末に回収することとした。』

 

 

それではどんな仕訳になるでしょうか。

 

Aさんの立場から考えます。

 

Aさんは土地を売りました。なので土地がなくなります。土地がなくなるのは悲しいことなので右に書きます。

 

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さて、ここで問題は左に何を書くかです。

今までなら、「現金で受け取った」など、何が増えたかが明確にされてました。

 

しかし、今回は「翌月末に回収することとした」なので、何の勘定科目を使えばいいかわからないですね。

 

そこで登場するのが、「未収金」です。

だ」「回していない」「お」のことです。

 

今、お金を回収出来ていないということは、「将来」お金を回収できるということです。

翌月に入金があるのは嬉しいですね。

 

「将来」嬉しいものは「資産」か「収益」の2択です。

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将来、嬉しいものか

ここで見分ける二つの方法。

 

一つは形があるか、です。

土地の売買契約ですから、当然「契約書」があります。

契約書には売買時の金額、つまりは回収する金額が載ってあります。

契約書は目に見えるものですね。

 

よって、形があるものなので、「資産」になります。

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形があるものか



 

もう一つは、左右のどちらで発生しているかで考えます。

 

ここで先に完成する仕訳を見ましょう。

 

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左に未収金がありますね。

 

ここで思い出して欲しいのが、この図。

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B/S 勘定式

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P/L 勘定式

この図は「資産」「負債」「収益」「費用」が左右のどちらで発生するものかを表しています。

 

左で発生するのが、「資産」と「費用」。

右で発生するのが、「負債」と「収益」。

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左右のどちらで発生するものか

今回、未収金は左で発生しました。

よって、資産費用です。

 

そして、最初に嬉しいものかどうかの判定で、資産収益であると説明しました。

 

共通しているのは「資産」ですね。

よって未収金は「資産」であると考えることもできるのです。

 

 

一つの項目を分類するのにもいろんな方法があるのですね。

 

今回説明した要素をまとめた図を置いておきます。

フローチャートと合わせてご覧ください。

もちろん、フローチャートを図解化したものなので、書いてあるのは同じ内容ですよ。

 

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以前も見せたフローチャート

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勘定科目の分類 まとめ

 【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/24/150000