現金預金 ③小切手を振り出した人 ※練習問題あり
次はBさんです。
Bさんは懐から紙切れを取り出し、金額を書き込みました。
これが「小切手」でしたね。
Bさんは小切手をAさんに渡しただけでは何も起こりません。
Aさんはアルファ銀行に行って、小切手を現金にしてもらっています。
でも、Bさんのベータ銀行の口座に影響は出てませんね。
もちろん、これで終わるわけがありません。
アルファ銀行がAさんにお金を渡した分、アルファ銀行のお金が減って損をしています。
なので、アルファ銀行はベータ銀行のBさんの口座からお金を貰います。
すると、Bさんの当座預金口座の残高が減りますね。
Bさんは何もせず、自動的に当座預金から小切手の決済が行われるのです。
Bさんがとった行動は、小切手に金額を書き込んでAさんに渡すことです。
そしてその後に自動的に当座預金がなくなるのですから、わざわざ小切手を仕訳に書く必要はありません。気づけば決済が終わっているのですから。
だから、最初から当座預金を使うのです。
「小切手を振り出して支払った」というのは、つまり「小切手をポケットから取り出し、金額を書き込んで渡したら、いつのまにか自動的に当座預金から支払われていた」ということなのです。
以上のことから、Bさんの仕訳はこうなりますね。
『Bさんは商品を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。』
では最後に完成する仕訳を再確認します。
Aさん(商品を売った側)
(直ちに当座預金に振り込めば)
「小切手を振り出して支払った」なら
「小切手を受け取った」なら
現金の増加(嬉しいので、現金が左)
ただし、「すぐに当座預金に振り込み」をしたなら
でいいでしょう。
ただ、取引の流れを知っていれば学習の理解は深まります。
これで基本的な仕訳の問題は、なんとなく出来る様になります。
でも「仕訳は書けるのに、何があったのかよくわかってない」では、難化する試験には受かりません。
次から貸倒(かしだおれ)や減価償却(げんかしょうきゃく)などといった個別の論点も解説します。
一つ一つ丁寧に押さえ、基礎が出来れば応用も気付けば解けます。
「基礎を固める」
これほど簿記のために用意された言葉はありません。
1日5分でも簿記に触れる。
自分で目標を持って頑張りましょう。
さて、練習問題を用意しています。
今回は全商の問題の改題です。
腕試しをしましょう。
それでは、合格を目指して頑張りましょう!