現金預金 ③小切手を振り出した人 ※練習問題あり

 【前回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/06/01/150000


次はBさんです。

 

Bさんは懐から紙切れを取り出し、金額を書き込みました。

これが「小切手」でしたね。

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Bさんは小切手をAさんに渡しただけでは何も起こりません。

 

Aさんはアルファ銀行に行って、小切手を現金にしてもらっています。

でも、Bさんのベータ銀行の口座に影響は出てませんね。

 

 

もちろん、これで終わるわけがありません。

アルファ銀行がAさんにお金を渡した分、アルファ銀行のお金が減って損をしています。

 

なので、アルファ銀行はベータ銀行のBさんの口座からお金を貰います。

すると、Bさんの当座預金口座の残高が減りますね。

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Bさんは何もせず、自動的に当座預金から小切手の決済が行われるのです。

 

 

Bさんがとった行動は、小切手に金額を書き込んでAさんに渡すことです。

そしてその後に自動的に当座預金がなくなるのですから、わざわざ小切手を仕訳に書く必要はありません。気づけば決済が終わっているのですから。

だから、最初から当座預金を使うのです。

 

 

「小切手を振り出して支払った」というのは、つまり「小切手をポケットから取り出し、金額を書き込んで渡したら、いつのまにか自動的に当座預金から支払われていた」ということなのです。

 

 

以上のことから、Bさんの仕訳はこうなりますね。

Bさんは商品を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。』

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自動的に当座預金が減ります


 では最後に完成する仕訳を再確認します。

 

 

Aさん(商品を売った側)

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(直ちに当座預金に振り込めば)

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 Bさん(商品を買った側)

 

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 覚え方だけ知りたい人は

 

「小切手を振り出して支払った」なら

当座預金減少(悲しいので、当座預金が右)

 

「小切手を受け取った」なら

現金の増加(嬉しいので、現金が左)

 

ただし、「すぐに当座預金に振り込み」をしたなら

当座預金増加(嬉しいので、当座預金が左)

 

でいいでしょう。

 

ただ、取引の流れを知っていれば学習の理解は深まります。

 

 

これで基本的な仕訳の問題は、なんとなく出来る様になります。

 

でも「仕訳は書けるのに、何があったのかよくわかってない」では、難化する試験には受かりません。

 

次から貸倒(かしだおれ)や減価償却(げんかしょうきゃく)などといった個別の論点も解説します。

 

一つ一つ丁寧に押さえ、基礎が出来れば応用も気付けば解けます。

 

「基礎を固める」

これほど簿記のために用意された言葉はありません。

 

15分でも簿記に触れる。

 

自分で目標を持って頑張りましょう。

 

 

さて、練習問題を用意しています。

 

今回は全商の問題の改題です。

腕試しをしましょう。

 

練習問題<PDFファイル>

 

解答<PDFファイル>

 

 

それでは、合格を目指して頑張りましょう!

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