取得価額を求める問題

車両の取得価額は?

 

×0年4月1日に車両を購入した。残存価額は取得価額の10%であり、耐用年数は9年である。減価償却は定額法により行なっている。

×3年3月31日に決算を迎えた。この時の車両の帳簿価額は280,000円である。

 

この問題、どうやって取得価額を求めるのでしょうか?

オススメは方程式を使うことです。

方程式といっても、中学1年生レベルのものなので、そんなに難しくありません。

 

方程式を作るためのポイントは4つ

1 求めたい値をXとする

2 減価償却費の公式

3 減価償却累計額の公式

4 帳簿価額の公式

 

これを意識すれば、取得価額は求められます。

1は簡単ですね。今回求めるものは取得価額なので、取得価額をXとします。

 

2以降は簿記の知識を織り交ぜながら、式を作ります。

減価償却費の求め方は大丈夫でしょうか?

定額法なので、(取得価額-残存価額)÷耐用年数です。

まずは残存価額を文字式にします。取得価額はXです。残存価額は取得価額の10%なので、Xの10%で0.1Xとなります。

これにより、( )の中の計算、つまり取得価額-残存価額はX-0.1Xになり、0.9Xと求められます。

( )で計算した結果を耐用年数で割るのですから、0.9Xを耐用年数の9で割った0.9X÷9が減価償却費です。

文字式でみると変な感じですね。

 

次に3で減価償却累計額を求めます。

×0年4月1日に車両を購入し、×3年3月31日の決算が到来しているのですから、決算は全部で3回迎えています。

よって、減価償却も3回しているとわかります。

ですので、減価償却累計額は0.9X÷9×3となります。

先程、求めた減価償却費に×3をするだけです。

 

最後に4で帳簿価額を求める式を作ります。

そもそも帳簿価額は、取得価額-減価償却累計額です。

ここまで1〜3で、取得価額と減価償却累計額はすでに文字式にしてあります。

取得価額はX、減価償却累計額は0.9X÷9×3です。

よって、帳簿価額はX-(0.9X÷9×3)です。

減価償却累計額の部分は( )でくくってあげましょう。

 

ここでようやく方程式の形にします。

問題により帳簿価額は280,000円です。

X-(0.9X÷9×3)=280,000

このXを求めれば、取得価額がわかるわけです。

 

方程式の解き方を説明します。

まず( )の中を電卓で計算します。

Xを一度無視して、0.9÷9×3をすると、0.3ですね。

この計算結果にXをつけます。0.3Xになりました。

次にX-0.3Xをします。0.7Xです。

ここまでで、0.7X=280,000になりました。

あとは280,000÷0.7をすると400,000になり、X=400,000です。

Xは取得価額でしたので、これで取得価額が求めれました。

 

解答 車両 取得価額400,000円