売上について ②商品を売った
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/11/150000
分記法は商品以外の売買取引で使われる手法です。
ここでわざわざ「商品以外」と書いてあるのは理由があります。
商品が売買されたときは、「三分法(さんぶんぽう)」により仕訳を切るのです。
三分法とは何でしょうか。
基本的に使う勘定科目が3つに分かれるということです。
3つの勘定科目とは
「仕入」「売上」「繰越商品」です。
今回は「仕入」と「売上」を中心に紹介します。
「繰越商品(くりこししょうひん)」は難しいので、次回に回しましょう。
では例題を使って説明します。
『AさんはBさんに商品を50,000円で売って、現金で受けとりました。』
AさんとBさん、それぞれの仕訳を考えましょう。
Bさんから考えますね。
Bさんは商品を買った側です。商品が手に入ることは嬉しいことですね。
なので左側に「商品」と書きたくなります。
しかし!
三分法では、「商品」は使ってはいけません!
(「繰越商品」と「商品」は別の存在です。)
なので、買った側は「仕入」を使います。モノを買うことを仕入れといいますね。
ですから、商品の代わりに仕入が左側にきます。
対価は現金で支払っているので、右側に現金を書きます。
これが商品を買ったBさんの仕訳です。
ではAさんはどうでしょうか。
Aさんは商品を売った側です。
商品を売ったということは、商品がなくなったということなので、悲しいから商品を右側に書きたくなりますが、違います。
繰り返しますが、三分法では「商品」は使いません!
なので、「商品」の代わりに「売上」を使います。商品を売ったのですから「売上」を使うのは納得いくかと思います。
そして現金を受け取ったので、左側は現金ですね。
これでAさんの仕訳は完成です。
【次回】