売上について ③まとめ ※練習問題あり
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/12/150000
ここでさっきの仕訳を並べてみましょう。
Aさん
Bさん
実はこの2つの仕訳、相反するものになっているのです。
同じ取引をそれぞれ違う立場から仕訳にしているので、当たり前といえば当たり前です。
Aさんは売ったので売上が発生し、
Bさんは買ったので仕入が発生しました。
Bさんは現金で支払ったので現金がなくなり、
Aさんは現金を受け取ったので現金が増えました。
ここでポイントですが、仕入は左で発生し、
売上は右で発生します。
なぜなら、「仕入は費用」「売上は収益」だからです。
なぜ場所が決まっているのか。
以前にも見せたイメージ図です。
この「収益」「費用」は、それぞれ収益と費用が発生したときに どっちに書くかを示したものでした。
「売上は収益、収益は右側で発生するものなので、売上が発生した時は右側に書く。」
「仕入は費用、費用は左側で発生するものなので、仕入が発生した時は左側に書く。」
仕入は左、売上は右。
これは基本形なので覚えちゃったほうが早いこともありますが、なぜそっちに書くのかと考えたときに、一応の理由はあるのです。
ここまで、仕入と売上をどっちに書けばいいかを説明しましたが、今回の問題に関してはもっと簡単な考え方があります。
それは、「現金の流れを見る」ことです。
売上と仕入の場所がわからなくなっても、「現金が増えるのは嬉しいこと、なくなるのは悲しいこと」とわかれば、どっちに書けば良いかがわかると思います。
あとは仕入れた側なのか売った側なのか、どっちの立場か考えて、勘定科目を入れればいいのです。
今回、固定資産の売買の時の分記法、商品売買のときの三分法を紹介しました。
この基本の考え方がわかれば、解ける問題の幅が増えます。
練習問題も用意したので、何度も繰り返して完璧を目指しましょう。
なお、商品売買の三分法について、何度も「商品」は使わないと強調しました。
しかし三分法に使う勘定科目に「繰越商品」があると説明があるので、困っている人もいるかと思います。
「繰越商品」は決算の時限定で出てきます。
つまり、普段の取引で「商品」を使わないやり方を三分法というのです。
なぜこんなやり方が生まれたのか。
説明すると難しくなりますし、簿記を学び始めたばかりの皆さんにはしんどい話になってしまいます。
なので、ここは深追いせず、そんなもんなんだ、と思っておきましょう。
最後にまとめておきます。
分記法
主に固定資産の売買で使われる。
買った時の価格と売ったときの価格を、分けて記入する手法。
三分法
商品売買の際に、3つの勘定科目科目を使い分けて仕訳を切る手法。
「仕入」「売上」「繰越商品」を使う。
練習問題を用意しましたので、復習に活用してください。
最後に、皆さんが昨日よりも成長出来たことを祈ります。
合格目指して頑張りましょう!