仮払金が資産の理由

仮払金は「資産」です。

 

結論を先に述べましたが、今回はなぜ仮払金が資産なのかを説明したいと思います。

 

 

1将来、嬉しいものかどうかを考える

 

「仮払い」ということは、今お金を払っているので、

将来は払う必要はありません。

 

「将来お金を払わないこと」は嬉しいことなので、資産収益です。

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2発生時を考える

 

仮払金が発生したとき、仕訳はこうなっています。

 

仮払金 ×××   現金 ××

 

仮払金は「左で発生」してますね。

左で発生するのは、資産費用です。

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今、選択肢にあるのは「資産収益」「資産か費用」になっているので、

2つに共通した「資産」が答えになります。

 

 

考え方はまだあります。

 

3考えられる選択肢を削る

 

「仮払金」とは、何を買ったのか具体的な処理がはっきりとわからないから、

代わりに臨時的な勘定科目を入れておこう、というもの。

 

だいたいが、現金で何かの代金を支払っているけど、詳細がわからないケースです。

 

現金で払っていると言うことは、資産が減っています。

 

??? ××円  現金(資産) ××

 

 

ここで、ポイントは簿記は貸借(左右)が一致しないといけないということ。

 

左側に書ける項目は次の通りです。

①資産の増加

②負債の減少

③資本の減少

④費用の発生

⑤収益の減少

 

 

まだ、何にお金を使ったか分かっていないのに、「費用」や「収益」を使うのはおかしいですね。

 

なので、①②③のどれかになります。

 

結論は①です。

では、②と③は何がいけないのでしょうか。

 

 

 

②は負債がなくなったときの処理です。

例えば買掛金の減少などですね。

今回は「とりあえずお金を支払った」だけなので、別に負債は減少していません。

なので②は消えました。

 

 

では、③はどうでしょうか。

「資本」が減少するときは、利益を配当したり、そもそも資本の額を減らすときです。

今回はそんな特殊な場面ではありません。

なので③も選択肢から消えます。

 

 

 

よって、残る①になります。

資産(現金)がなくなって、相手の勘定科目が必要だから、とりあえず同じ資産にする。

貸借を合わせるために無理矢理「資産を発生」させたのです。

 

まあ、こんな覚え方もできますが、「仮払金は資産」と覚えた方が早いです。

 

逆の考え方で、「仮受金は負債」です。

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