仕訳とは2 ②2行になる仕訳、現る!? ※練習問題あり
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/06/150000
前回、勘定式の話をしました。
ここで何度も言いますが、「資産」「負債」「収益」「費用」の場所がとても大事なのです。
もう一度見せます。
なぜこんなにも強調するのかと言うと、それは各項目の発生の場所を示しているからです。
どういうことかというと、例えば前回の問題の「土地」を使って説明します。
土地は「資産」です。
ここまではわかりますね。
土地を買いました。資産が発生しました。
仕訳を思い出してください。
資産(土地)が左側にあります。
B/Sを見てください。
資産は左側ですね。
資産は発生した時、必ず左側で仕訳を切ります。
なぜなら、B/Sの左側に載せるものだからです。
逆に右側にある「当座預金」
当座預金も資産です。
当座預金はなくなっています。
資産が減少(消滅)しました。
すると、発生の逆で、右側に書きます。
言い替えると、資産が右側に書いてあると、何かがなくなっていることを意味するのです。
今回は50,000,000円の資産(土地)が発生して、同時に資産(当座預金)が消えましたね。
これで初めて釣り合いが取れるのです。
釣り合いが取れる、つまりはバランスが良い。だからバランスシート(Balance Sheet:B/S)と言うのです。
B/S、P/Lの勘定式では、常に左右の合計が一致します。
これはこれまでの仕訳がしっかり切られた結果なのです。
つまり何が言いたいかと言うと、仕訳も左右が一致しなくてはいけません。
「え、一行に同じ金額書くんだし、逆に一致しないの?」
と思うかもしれません。
実はこれから2行、3行の仕訳が現れるんです。
さっきの問題では、50,000,000円をすべて当座預金から支払いました。
では、代金のうち20,000,000円を現金で支払い、残りの30,000,000円を当座預金で支払っていたらどうでしょう。
バラバラに考えることも出来ます。
つまり、20,000,000円の土地を現金で、
30,000,000円の土地を当座預金で支払ったと考えるのです。
するとどうなるでしょう?
これで良いのです。
しかし、簿記の試験は時間との勝負。
いかにコンパクトにまとめることが出来るのかがスピードアップのコツになります。
今回、左側に土地を2回書いてますね。
そのせいで金額も2回書いています。
何秒のロスになるでしょうか。
時間がもったいないので、土地の金額を合計しちゃいます。
コンパクトになりました。
どちらを書いても正解ですが、後者の方がシンプルですね。
もちろん貸借合計(たいしゃくごうけい)つまり、左右の合計はどちらも50,000,000円となり、バランスは取れています。
「20,000,000円の土地と30,000,000円の土地を買った」
という考え方は非常に初心者向けです。
半歩進みましょう。
問題文にもありましたが、読んだものをそのまま仕訳に起こしてもいいのです。
土地50,000,000円を購入しました。
嬉しいので、左に書きます。
現金がなくなりました。
いくらなくなりましたか?
20,000,000円です。
悲しいので右に書きます。
当座預金もなくなりました。
悲しいので右に書きます。
するとどうでしょう。
左右の合計額は等しいですし、最初の仕訳と同じ答えになりましたね。
二つの仕訳を考えて合算させるより簡単だと思いませんか?
これから先、1行以上の仕訳はたくさん出てきます。
左右どちらも2行以上となったとき、確認しなければいけないのは、
左右の合計が同じかどうかです。
絶対にバランスは保ってくださいね。
少しずつ難易度が上がってきました。
次回からはついに個別論点を説明していきます。
しかし、これまでの基礎に着いてこれなかった人にとってはとても辛い話になります。
焦らず今までの論点の見直しをしましょう。
それでは最後に。
皆さんの合格を心から祈っております。
合格目指して頑張りましょう!