未収金と未払金【全4回】 ①未収金

今回は未収金と未払金について説明します。

 

これは、「仕入と売上」「支払家賃と受取家賃」のように、同じ取引を違う立場から見た時に、相互している勘定科目です。

 

 

では例題を使って確認します。

 

AさんはBさんに土地を500,000,000円で売り渡し、代金は翌月末に回収することとした。』

 

 

それではどんな仕訳になるでしょうか。

 

Aさんの立場から考えます。

 

Aさんは土地を売りました。なので土地がなくなります。土地がなくなるのは悲しいことなので右に書きます。

 

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さて、ここで問題は左に何を書くかです。

今までなら、「現金で受け取った」など、何が増えたかが明確にされてました。

 

しかし、今回は「翌月末に回収することとした」なので、何の勘定科目を使えばいいかわからないですね。

 

そこで登場するのが、「未収金」です。

だ」「回していない」「お」のことです。

 

今、お金を回収出来ていないということは、「将来」お金を回収できるということです。

翌月に入金があるのは嬉しいですね。

 

「将来」嬉しいものは「資産」か「収益」の2択です。

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将来、嬉しいものか

ここで見分ける二つの方法。

 

一つは形があるか、です。

土地の売買契約ですから、当然「契約書」があります。

契約書には売買時の金額、つまりは回収する金額が載ってあります。

契約書は目に見えるものですね。

 

よって、形があるものなので、「資産」になります。

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形があるものか



 

もう一つは、左右のどちらで発生しているかで考えます。

 

ここで先に完成する仕訳を見ましょう。

 

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左に未収金がありますね。

 

ここで思い出して欲しいのが、この図。

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B/S 勘定式

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P/L 勘定式

この図は「資産」「負債」「収益」「費用」が左右のどちらで発生するものかを表しています。

 

左で発生するのが、「資産」と「費用」。

右で発生するのが、「負債」と「収益」。

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左右のどちらで発生するものか

今回、未収金は左で発生しました。

よって、資産費用です。

 

そして、最初に嬉しいものかどうかの判定で、資産収益であると説明しました。

 

共通しているのは「資産」ですね。

よって未収金は「資産」であると考えることもできるのです。

 

 

一つの項目を分類するのにもいろんな方法があるのですね。

 

今回説明した要素をまとめた図を置いておきます。

フローチャートと合わせてご覧ください。

もちろん、フローチャートを図解化したものなので、書いてあるのは同じ内容ですよ。

 

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以前も見せたフローチャート

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勘定科目の分類 まとめ

 【次回】

https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/24/150000