仕訳とは 超基礎編④ 実際に分類してみよう! ※練習問題あり
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/02/150000
では実際に分類します。
まず形があるものですか?
紙幣や硬貨は目に見えますね。
だから形のあるものです。
次に現金は嬉しいものですか?
現金が嫌いな人は、まあいないでしょう。
形があり、嬉しいものなので、
現金は「資産」です。
「備品」はどうですか?
パソコンのことですよ。
形があるものですか?
パソコンは形があるものですね。
ちなみにパソコンの中にあるソフトも、アイコンが見えるから目に見えるものに該当します。
では嬉しいものですか?
そこそこの大金を叩いて買ったものだから、持っていて嬉しいもので違いないでしょう。
なので備品も形があり、嬉しいものなので
「資産」です。
結果として両方とも「資産」になるのです。
仕訳を切ると左右が同じ「資産」項目になることもあれば、違うこともあります。
あまり難しく考えすぎないようにしましょう。
もう一度フローチャートを確認しておきます。
こんな感じの考え方で分けていくのですが、はっきり言って最初は頭の中ぐちゃぐちゃだと思います。
だけど、大丈夫。最初はみんな同じですから。
言うならば簿記はトレーニングです。毎日続ければ続けるほど上達する。
スポーツみたいなものです。
毎日勉強しろと強制は出来ませんが、やればやるほど成長は身に沁みて感じるはずです。
私もそうでした。
辛くならない範囲で頑張りましょう。
そうすれば勉強の神はあなたに味方します。
練習問題を用意しました。
資産以外の項目の判定の解説もあるので、是非活用してください。
最後になりますが、この講義があなたの役に立つことを祈ります。
合格目指して頑張りましょう!
仕訳とは 超基礎編③ 勘定科目の分類方法!
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/05/01/150000
では、前回約束していた、勘定科目が「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」「純損益」のどれに該当するかの判定です。
まずこの分類が何故こんなに強調して書かれているかを説明します。
この6分類が大事な理由、それは決算書類のどこに書くべき勘定科目かを知っていなければいけないからです。
前回見せたイメージ図です。
貸借対照表 B/S
損益計算書 P/L
資産なら貸借対照表、費用なら損益計算書といったように、分類ごとにどの書類に載るかが決まっています。
正直、仕訳を切るだけならそこまで重要ではありません。
しかし、総合問題では、貸借対照表と損益計算書を作成しなければなりません。
せっかく仕訳が完成しているのに、どこに記載したらいいか分からず、失点するのは勿体無いですね。
だから、分類が出来る様にならないといけないんです。
最初は難しいと思います。
ですが、慣れると流れ作業のようにあっさりと分類できるようになるので、基礎を勉強している今こそ頑張りましょう。
それでは今回の例題を使って確認しましょう。出てきた勘定科目は「備品」と「現金」です。
ここでポイントです。今まで6項目を挙げましたが、実際に判定していくのは「資産」「負債」「収益」「費用」の4つです。
それはなぜかを先に説明していきます。
まずは「資本」。これは問題文を読めばすぐにわかります。100万円を資本金とした、などわかりやすく書いています。
「純損益」は判定の必要がありません。なぜなら、収益と費用の差が純損益なため、収益と費用がしっかり分けれているのなら、自動的に算出されるものだからです。
では残りの4つはどうやって分けるのでしょうか。
次のフローチャートを使えば簡単です。
【次回】
仕訳とは 超基礎編② 嬉しいことを左、悲しいことを右に!
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/04/30/150000
それではここで一番大切な話をします。
仕訳とは、
嬉しいことを左
悲しいことを右
に書いてください。
最初はこれだけでなんとかなります!
では、ここで軽く例題です。
『あなたは現金10万円でパソコンを買いました。』
これを仕訳に起こします。
このとき、2通りの攻め方があります。どちらの考え方でも答えは同じなので、やりやすい方から考えましょう。
1 現金から考える
現金10万円でパソコンを買ったと言うことは、お金がなくなったということですね。
さあ、ここで考えるのはお金がなくなることは嬉しいか、悲しいか、です。
「パソコンを買った」ことは一旦置いて、「お金がなくなった」ことだけを見てください。
お金が消えて嬉しい人なんているのでしょうか。
いないですね。つまり「現金がなくなる」のは悲しいことです。
悲しいことは左右どちらに書くのでした?
右ですよ。悲しいことは右側に書きます。
なので
になりましたね。
あとはパズルです。残った左側に必要な勘定科目を書きます。
今回パソコンは「備品」としますね。
これで仕訳は完了です。
2 パソコンから考える
では逆に、「パソコンを買った」ことを最初に注目するやり方です。
あなたはずっと欲しかったパソコンを買いました。欲しかったものが手に入るのは嬉しいですか?悲しいですか?
嬉しいことですよね。嬉しいことは左右どちらに書きます?
嬉しいのは左側ですよ。ここは大事なので必ず押さえてください。
パソコンは勘定科目にすると「備品」なので
になりますね。ここで空いている右側に残った勘定科目を入れます。現金ですよ。
すると、どっちのやり方をとっても答えは同じです。
最初はこのやり方で大丈夫です。
しかし、どちらのやり方にしても、嬉しいから左、悲しいから右は間違えないようにしてください。
【次回】
仕訳とは 超基礎編① 【全4回】 仕訳って?
とは言っても、最初からは無理ですね。
手持ちに簿記の問題集やテキストがある人はペラペラとめくってみてください。
こんな感じの表がありませんか?
ここに勘定科目や金額を書いていくことを仕訳と言います。
ここに「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」と書いてありますね。
これは左側と右側という意味で、「借方」「貸方」という言葉自体に大きな意味はありません。
どっちがどっちに書くものか分からなくなった時は、次のイメージを参考にしてください。
当講義では、一貫して左側、右側と表現するので、安心してください。
【次回】
簿記とは⑤ 勘定科目とは? ※練習問題あり
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/04/27/150000
ここで初心者が間違いやすいのは、資産と費用の違いです。
資産は目に見えて形があるもの、費用は目に見えないもの、という解釈で良いですが、この先間違えやすいものも出てきますので、新しい勘定科目が出たらすぐに確認するようにしましょう。
ここで勘定科目(かんじょうかもく)という知らない言葉がまた出てきましたね。
勘定科目とは、日本語のことです。
B/SもP/Lも、現金の横に金額、売上の横に金額と言ったように、日本語と金額が書いてあります。
この「現金」や「売上」と言った日本語を勘定科目と言うのです。
勘定科目はたくさんあります。内容は同じでも、会社によって少し違う勘定科目名になっていたりします。
簿記の試験では、出てくる勘定科目は限られているので、一つ一つしっかり押さえて、資産、負債、資本、収益、費用、純損益の区分が出来るようにしましょう。
慣れればすぐに見分けがつくようになります。見分けのつけ方は次回紹介します。
ここまで2種類の決算書類について説明しました。
ここで、最初の簿記って何?という疑問に返ってみましょう。
覚えていますか?
そう、帳簿記入です。
会社は一年をかけて取引をしています。
モノを買って、売って…。銀行からお金を借りて、利子と一緒に返済して。
車を買ったり、いらなくなったら売ったり、捨てたり。
そう言った取引を帳簿に書くのです。
ただ適当に書いてはいけません。何千もある企業がいろんな書き方をしていると、投資家は毎回、この会社はこういう書き方をしているんだ、と調べなければなりません。
だから、ある程度のルールが必要です。そのルールに従って帳簿を書くことを仕訳というのです。
ちなみによく聞く「会計」というのは、このルール自体を言います。
つまり、簿記は会計というルールの上に存在しているのです。
とはいえ、私たちが鍛えなければいけない能力は仕訳。
仕訳が出来ればどんな問題でも解けるようになります。
仕訳を切るのにはコツがあります。
B/S 3項目とP/L 3項目の見分け方と含めて、次回説明しましょう。
今回の講義を問題にしました。ぜひ復習に活用してください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
あなたの疑問が解決し、合格に近づいたことを祈ります。
合格を目指して頑張りましょう!
簿記とは④ 損益計算書(P/L)
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/04/26/150000
次は損益計算書です。
P/LはProfit and Loss Statementの略です。
profit(利益)とloss(損失)がいくらなのかを乗せる書類です。
P/LもB/Sと同じように、三つの項目を載せます。「収益」「費用」「純損益」です。
収益から説明しましょう。「収益」とは事業の結果、受け取った金額を言います。
会社のメインとなる収益は売上ですね。
収益を上げるためには当然お金がかかりますね。小売業なら商品を仕入れないといけないし、販売員に給与を支払わなければなりません。広告をするのにもお金がかかりますね。こうした収益を上げるために払った犠牲を「費用」と言います。
収益から費用を引くと利益、若しくは損失が出ます。これがP/Lの最後の要素です。
利益と損失を合わせた呼び方が「純損益」です。
P/Lは上から収益、費用、純損益の順に記載します。
イメージはこんな感じになります。
P/L(損益計算書)
②で見た損益計算書はこのP/Lに具体的な数字を入れたものです。
【次回】
簿記とは③ 貸借対照表(B/S)
【前回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/04/25/150000
ここで初めて見る言葉が出てきましたね。
B/Sから説明しましょう。
B/SとはBalance Sheet(バランス シート)の略で、貸借対照表と言います。
この表には、「資産」「負債」「資本」が載っています。
また新しい用語が出ましたね。
B/Sを別の説明の仕方をしましょう。つまりは、【会社の持ち物表】です。
決算の時における、会社の持ち物およびその金額を乗せた表をB/Sと言うのです。
例えばですが、現金。これは会社の持ち物で間違いありませんね。
他にも建物や土地。これも会社が買ったなら持ち物ですよね。
更にはこれから売ろうとしている商品。決算のときに売れ残っていたら、これも会社の持ち物です。
これらを「資産」と言い、貸借対照表の左側に記載されます。
一方で、資産とは逆にあまり持ちたくない物も貸借対照表に載せます。
これを「負債(ふさい)」と言います。具体的には借入金(かりいれきん)。
銀行から融資を受けた金額で、後々返すものです。借金は負債というのは分かりやすいと思います。
他にも買掛金(かいかけきん)。
あとでお金を払う義務のことです。お金を払うのは嫌ですね。だから負債って覚えましょう。
「負債」は貸借対照表の右側に記載されます。
最後に「資本」。資本とは会社を作るために用意したお金を言います。個人事業主だと、自らの貯金等が資本ですが、法人だと投資家が出資した金額が資本です。
貸借対照表上、資産と負債の差額が「資本」となり、右側の負債の下に記載されます。
イメージはこんな感じです。
このイメージ図に具体的に数字を入れたのが、②で見た貸借対照表なのです。
【次回】
https://pen-hakase.hatenablog.com/entry/2021/04/27/150000